かたり・三味線教授いたします。
稽古場:千年文庫 八王子市戸吹町332-6
問い合わせ先 wata8tayu@gmail.com
お気軽にお問い合わせ下さい。出稽古可。

よみがえる説経祭文の夜 in 国立ビブリオ

今年は、2回しかできませんでしたが、通算5回目となった「よみがえる説経祭文の夜」。20名を越える皆々様にお越しいただき誠にありがとうございました。満員御礼。

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祭文松坂というのは、瞽女唄の中でも段物の物語を指します。日本庶民生活史料集成第17巻には、高田瞽女の「葛の葉」全3段が収録されております。これは、大変おもしろいです。だいたい説経や浄瑠璃は男性目線で作られているようですが、祭文松坂は、演者が女性なだけに、女性目線になっていると思います。母性ですね。この話しが、江州音頭河内音頭でも定番なのもわかる気がします。

そこで、その音頭風に、エレキ三味線にしてみたのが、今回の遊びでした。別にエレキにするのには、この頃は安価なピックアップマイクがありますので、アンプさえあればなんの技能もいりませんが、先ほど京都でご一緒した「ky」のフランス人ヤンから伝授してもらった「ループ」というやつは、相当の熟練がないと、簡単にはいきません。

つまり基本のフレーズを弾いて、演奏しながら、録音させて、再生させて、だんだんとバリエーションをかぶせていくわけですが、言うは易しで、流れるようにつなぐタイミングは微妙です。しかもこれは足技で、使えるのは左足です。

直前までの特訓が効いたか、なんとかうまく行きましたが、こんなに稽古をしたのは久しぶりでした。

瞽女唄のように同じフレーズを繰り返すものには、この「ループ」はおもしろい効果があるようです。

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同じく「集成」に収録されている「お岩木さん一代記」の「異聞」。姜信子の筆が冴えまして、山伏とイダコの問答になっております。背景の岩木山の神様が昇るようにみえましたでしょうか。

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左は井上イダコ。八太夫手作りのミニ梓弓をたたいて。山伏は何故か羽黒修験で、しかも、ちょっとブロークン東北弁で勘弁していただきました・・・青森ネイティブの方がいらしたので、はらはらしましたが。

しかし、この話しも、男性世界に対する飽くなき抵抗が秘められているのです。「神になるたて、どんだけ苦しみうけないば。あぶらおんけ。あぶらおんけ。あぶらおんけ。」

「あぶらおんけ」の大合唱、ありがとうございました。

 

思いっきり楽しみました関西・九州ツアー

京都を皮切りに、大阪、九州の宗像へと足を伸ばした旅は、大変充実したものになりました。今回の旅をサポートしていただいた皆様、共演者の皆々様、本当に楽しかったです。ありがとうございました。

京都では旧梅棹忠夫邸をギャラリーにされている「ロンドクレアント」という素敵な空間にお邪魔しました。中庭の借景が落ち着きます。「水と風のアナーキー」というこのライブ企画は、姜信子の水と仲野麻紀の風がふれあって、何が起きるか、というのがテーマであったわけですが、私的には只単に、ヤンのウードと、麻紀のサックスと遊べるということしか頭にありませんでした。因みに、八太夫は山で、ヤンは海ということで、にわかチーム「水風山海」が即興的に声と音を奏で合うという刺激的な夜になりました。

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大阪では、ライブハウス「周」の開店祝いです。店主の稲本直さんには、昨年のチンドンライブからお世話になっており、今回が二回目ですが、なにしろ目出度いので、大騒ぎとなりました。「ケセランぱさらん」のてじょんさんと、ふかじゅんさん、パンソリの安聖民さん、鼓手の趙倫子さんには、「鬼桃太郎」で各種分担していただき、尚いっそうグレードアップ。ありがとうございました。

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パンソリ「沈清歌」

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アリランで賑やかに〆です。大合唱。

福岡県の宗像に飛びます。今回は、新幹線の旅でした。自由がきくので車が多いのですが、やはり列車の方が楽なものです。その宗像市の多禮という所は、山の中といわず、いたるところに修験の跡が残っていて、里修験の姿が垣間見られるところで感激しました。宗像大社もいいですが、地元の人も、もうよくわかってない石仏が、あっちにもこっちにも・・・まさに多・礼

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多禮公民館右裏手(西国七十一観音隣)

ここにある「ひさの」は、老人を看取る為の場所です。老衰は病気ではないという理念で、自然な旅立ちを手伝うという訳です。つい最近、自分の父が病院でチューブだらけになって衰弱したのを見たばかりでしたので(幸い父は回復)まさに同感。その開所四周年記念にお伺いしました。これもまた、目出度いです。

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「ひさの」の経営者、田中好さん

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石牟礼道子の世界「不知火じょろり」を聴いていただきました。「地獄極楽見世物小屋」がうけましたが・・・実感だったのでしょうか・・・それにしても元気なお年寄りばかりでした。最高齢は104歳のおばあさん、もう生き神さまです。そんな皆様に「ぽっくり往生カンマンボロン」のご祈祷をさせていただき、さらに元気になられたようでした。また、有効期限が切れた頃に伺います。

 

山伏祭文西国行脚、秋の旅

京都・大阪・福岡と三カ所を廻ります。

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最終日は、福岡市宗像へ

不知火浄瑠璃(しらぬいじょろり)ば語りましょうかい。
   ~旅の祭文語りが歌い語る石牟礼道子の世界~
 
日時:10月16日(火)13時30分開場  
          14時開演(~15時30分)
 
                         場所:多禮公民館
       出演:渡部八太夫(祭文語り)  
          姜信子(作家)
       演目:『西南役伝説』より「六道御前」。
          『あやとりの記』『椿の海の記』より、
 
           「おもかさま」、「みっちん」、
           水俣のあの衆たちの声、声、声!、
 
お近くの方々、宜しくお願いいたします。

 

 

怪しい山伏は大阪へ見参

10月の説経祭文は、大阪に参ります。またまた、賑やかにチンドンやります。パンソリとの競演も、見逃せませんよ。それに、「鬼桃太郎」は、日韓合同になりそうですし・・・乞うご期待。

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追悼 石牟礼道子さん 説経祭文の旅 in 九州

石牟礼さんが出演された晩年のテレビ番組を見ていて、感じたことは、「みっちん」に戻っていくのだなあということ。お顔が、子供の頃になりたかったという狐に似てきました。そこで、今回は「みっちん」を探そうと、密かに思っていたのでした。みっちんの見たもの、聴いたもの。

9月2日(日)

 まずは、福岡入り。福津市のうらんたん文庫さんでのライブは、山福朱実・末森樹チームの「みどろの宮」とのジョイントでした。こちらは、「苦海浄土」より「九竜権現」。胎児性水俣病の杢太郎少年の話。宿泊までさせていただいき恐悦至極。すばらしいスタートがきれました。

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9月3日(月)

はじめての水俣。昼は「みっちん」の目になってきょろきょろ。夜は、湯の鶴温泉の諸国屋本舗で、ライブ付ディナーショーでした。出し物は、前日と同じ。

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初めて見る不知火海(明神さんより)

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湯の鶴温泉の清流

9月4日(火)

一日がかりで、水俣「みっちん」探索。どこもかしこも、物語にでてくるその場所であるわけだか、なんといっても、「大廻りの塘」(うまわりのとも)の風が心に残った。

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昔の海岸ぶち。大廻りの塘は、みっちんの遊び場だった。

夜は、山へあがり、久木野の「愛林館」にお世話になりました。ここでは、説経祭文山椒太夫の「骨拾い」を演じました。しかも、館長の沢畑さんに、アフリカの太鼓をたたいていただいて、大変もりあがりました。ところが、一番受けたのは、打ち上げで持ち出した「椿の海の記」の中の「雨乞い」でした。やはり、石牟礼さんがとりついています。

9月5日(水)

熊本へ移動。真宗寺の納骨堂に参拝し、石牟礼さんにご挨拶いたしました。

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9月6日(木)

熊本学園大学での姜信子集中講座が始まる。八太夫も語りや朗読でサポートする。

9月7日(金)

この日は、阿蘇根子岳へ。みどろの宮に出てくる「山猫おのん」はこの「ねこだけ」に生息しているわけだ。

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夜は、熊本市の橙書店でのミニライブ。石牟礼作品の中でも初期の作品である「西南役伝説」より、「六道御前」を初演。耳の肥えた方々と膝つめで、びびりました。

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ここでも、「雨乞い」をやったのですが、翌日から大雨になりました。ごめんなさい。

9月8日(土)

再び、終日、大学の授業。夕方には、山都町緑仙峡の清流館へ。「水はみどろの宮」のその「穿(うげ)の宮」が実際にある所で、奉納祭文をさせていただきました。ところが、お宮への路は、昨年の参拝の後の台風で崩れてしまったので、直接のお参りは、残念ながら出来ませんでした。

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9月9日(日)

和文楽の見学や、釈迦院の参拝などなど、石牟礼さんの足跡をたどる。

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農村芝居特有の写本

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横で、すみません。「ぽっくりでら」と書いてあります。釈迦院に詣でると「ぽっくり」死ねるんです。チューブだらけにならずに・・・ありがたいことです。

さらに、その夜は、菊池恵楓園に足をのばしました。ハンセン病家族訴訟の大阪からの応援団へ、陣中見舞いという結果になりました。「葛の葉」を押し売りしました。

9月10日(月)

最終講義を終えて、定番の片岡演劇道場へ。これが今回の〆です。

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今回も、沢山の方々にお世話になりました。改めて、御礼申しあげます。また、お目にかかりましょう。

 

 

 

また蘇ってしまった説経祭文 in 国立ビブリオ

真夏の暑い夜を震撼とさせようと思っていましたのに、急に秋めいてしまって、拍子抜けでしたが、早い夏は、やはり早く終わるもんだと、少し安心しました。

さて、昨年に引き続き、説経祭文の実験的企みはまた、国立のギャラリービブリオにお世話になりました。

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江戸時代の私。山伏祭文の実証であります。この祭文がたりのいかがわしさを、受け継ぎたいものです。

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信徳丸一代記は、若太夫系の台本も残っていますが、正本が見当たらず、写本しかありません。もし、どこかに正本がありましたら、教えてください。今回の台本の床を詳しく書きますと、以下のようなクロスオーバーです。

底本は、日本庶民生活史料集成第17巻に掲載されている「新潟県上越市(高田)市川信次所蔵 薩摩若太夫正本写本」これは、つまり瞽女さん関係の所にあった写本ということです。それに、会場でお話した、新潟県新発田市教育委員会発行の「阿賀北瞽女瞽女唄集」を参考にしています。ですから、説経祭文から瞽女さんのところに伝わって、また私が、逆輸入して祭文に仕立てたということになります。それもまた、およそ150年の間のことでしょう。

継母の呪い釘

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異例(癩病)となる信徳丸 (以上、作画:渡部萌)

これから、始まる説経祭文女シリーズの先駆けとなりました。

さて、明治150年。桃太郎というのは暗示的ですが、尻つぼみのこの物語の結末は、実は、これでよかったのだと、やってみてようやく納得しました。日本はこのままでは危ないぞ。ぼかーんだ。

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今回は、嵐山光三郎先生もご来場いただき、打ち上げにも残っていただきました。様々なご指導をいただき、恐悦至極でありました。励みになります。

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さて次回は、さらに混迷の度合いを深めるか・・・

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乞うご期待。

また蘇る 説経祭文の夜 いよいよ

異常に暑い夏を、少しだけ冷やします。8月18日(土)18:00より、国立ギャラリービブリオに御参集ください。まだ間に合います。予約は、ギャラリービブリオまで。042-511-4368

説経祭文「信徳丸一代記」継母呪いの段

作画は、渡部萌。八太夫の末娘が描きました。初の親子共演となります。乞うご期待。

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作画:渡部萌

後半は、「鬼桃太郎」。姜信子と八太夫の掛け合いでお送りいたします。

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原作:尾崎紅葉 脚色:姜信子

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