稽古場:ゆやんたん文庫 奈良市敷島町
問い合わせ先 wata8tayu@gmail.com

東京から熊本へ、祭文にのせて

 

石牟礼道子作「水はみどろの宮」の再版に関わって、祭文語りを託されたわけですが、作者の石牟礼氏や、公演先に予定していた熊本の書店、「橙書店」が熊本地震被災されたこともあり、微力ながら、祭文に、熊本復興の願いを込めたいと思っています。

 

九州熊本に向けてのキャラバンの日程がほぼ、決まりました。

個々の詳しい案内は、フェイスブック等で、随時ご案内いたします。

 

6月 7日(火) 京都市上京区 カライモブックス

6月 9日(木) 広島大学文学部(東広島)

6月10日(金) 広島市安佐南区 カフェ・テアトロ・アビエルト

6月12日(日) 午後:北九州市近代文学

         夜 :北九州市門司区 スタジオKU

6月13日(月) 熊本市 橙書店

 京都編のご案内

f:id:wata8tayu:20160526210056j:plain

広島編のご案内

f:id:wata8tayu:20160526210142j:plain

北九州編のご案内 

f:id:wata8tayu:20160526183859j:plain

f:id:wata8tayu:20160526183758j:plain

北九州編のFBは以下をご参照下さい。
https://www.facebook.com/events/258589111168792/

石牟礼道子の世界 水はみどろの宮 初演

石牟礼道子作『水はみどろの宮』が、福音館から新装版として再版されました。今回、挿画を担当した版画家山福朱実氏の原画展をしめくくるイベントとして、このために新たに結成された「はじまり一座」による、歌とかたりもの「水はみどろの宮 ~なつかしい樹下の物語~」が演じられました。

この歌い語りの準備中に、まるで『水はみどろの宮』の内容をなぞるように、本の中の出来事が予兆であったかのように、熊本の震災が起こりました。

作者の石牟礼氏も被災されていらっしゃいます。

熊本・大分の被害は大きなものでした。とりわけ、見えないところほど、声をあげられないものたちほど、深い傷を負っています。

その痛みに思いを馳せ、私たちのこの試みは、これから熊本復興を支援する活動としても、継続して行く事になりました。

「はじまり一座」

f:id:wata8tayu:20160522122933j:plain

台本演出・鳴り物:姜信子

祭文がたり:渡部八太夫

歌とかたり:山福朱実

ギター:末森樹

 

公演の様子(一部)をご覧下さい。

www.youtube.com

 

ソルムンデハルマン

千年文庫開所式「はじまり はじまり はじまり」でのイベント で、「ソルムンデハルマン」を 演じました。ソルムンデハルマンは、済州島を創った神様のことです。

f:id:wata8tayu:20160520233232j:plain

ハルラ山

f:id:wata8tayu:20160520233359j:plain

オルム

f:id:wata8tayu:20160520233445j:plain

五百将軍

千年文庫での公演の様子は、 youtubeをご覧下さい。

(姜信子作「はじまり はじまりはじまり」より。)

www.youtube.com

まゆんがなし

千年文庫開所式「はじまり はじまり はじまり」でのイベント

で、「まゆんがなし」を演じました。

「まゆんがなし」は石垣島川平の来訪神のことです。

f:id:wata8tayu:20160520233930j:plain

千年文庫での「まゆんがなし」(姜信子作「はじまりはじまりはじまり」より)は、下記リンクからご覧下さい。

youtubeをご覧下さい。

youtu.be

千年文庫 開所 記念公演

東京八王子の稽古場に、千年文庫を開設しました。かたりものに関する資料を、充実させようと考えています。5月15日、開所式の「はじまり はじまり はじまりの宴」が開催されました。東京の片田舎に、遠路は新潟からも駆け付けていただき誠にありがとうございました。これから、説経祭文を中心として、新たなかたりものを模索するとともに、古来の説経や祭文を、共有していく機会を提供して行きたいと思っております。

 

「水はみどろの宮」石牟礼道子作 姜信子翻案 於千年文庫

f:id:wata8tayu:20160515223400j:plain

祭文かたり 渡部八太夫

 

f:id:wata8tayu:20160515223547j:plain

語りと歌 山福朱実

f:id:wata8tayu:20160515223636j:plain

クラッシックギター 末森樹

撮影:姜潤

 稽古場に新設した「千年文庫」

f:id:wata8tayu:20160521124217j:plain

 かたりもの八太夫会/千年文庫

八王子市戸吹町332-6

グーグルマップに表示されます。

Google マップ

web 千年文庫 「中将姫」めぐり

既に説経「中将姫」原文を八太夫ホームページに掲載しましたので、ご覧下さい。

中将姫は、この寺で生まれたという。残念ながら、拝観することはできませんでした。

f:id:wata8tayu:20160331115311j:plain

奈良市:奈良町にある誕生寺)

誕生寺の近くにある、高林寺は、中将姫が御修行された寺ということです。訪問のタイミングが悪く、こちらも拝観はできませんでした。

f:id:wata8tayu:20160331115946j:plain

継母から逃れて隠れたのは、「日張山」、この山は、元々「薬草」の山であった。

f:id:wata8tayu:20160331120329j:plain

(日張山青蓮寺:奈良県宇陀郡田野町宇賀志)

f:id:wata8tayu:20160331120745j:plain

青蓮寺の御住職に、「ここには、中将の湯という温泉があるんですか。」と、真面目に聞きましたところ、笑われました。「ちゅじょうとう」と読むのですか・・・しかし、この「薬」というのが、どうも重要なポイントらしいです。

f:id:wata8tayu:20160331121325j:plain

石光寺(染寺)の中将姫像と染め井。ここで、染めた蓮の糸で、曼荼羅を織ったのは、「當麻寺」というわけです。(葛城市)

f:id:wata8tayu:20160331121812j:plain

お墓があるのが、奈良町の「徳融寺」

f:id:wata8tayu:20160331122002j:plain

 

 

 

web 千年文庫 「松浦長者」 小夜姫をたずねて

既に、八太夫ホームページ「松浦長者」で、説経原文を掲載してありますので、ご覧下さい。

「松浦長者」は、竹生島弁財天の由来を語る本地物ですが、お話しのスタートは、奈良の壺坂です。松浦長者は、財はあっても子宝にめぐまれませんでしたので、長谷観音にお参りしました。

f:id:wata8tayu:20160331104301j:plain

お願いしたのは、この観音様でした(十一面観音立像)。そうして誕生したのが、小夜姫でした。ところが、小夜姫が4歳の時、松浦長者は36歳の若さで、この世を去ります。それから十三年がたったある日、母は長者の菩提を供養するお金が無いと歎くので、小夜姫は、自分の身を売ることを決心するのでした。その願掛けに春日大社をお参りしますと、通り掛かった興福寺の僧が、「それ、親の菩提を問うというは、身を売りてなりとも弔うを大善」と説法しているのを聞き、門前には、『見目良き姫のあるならば、値を良く買う(こう)べきと所はつるや五郎太夫』という高札があるのを見るのでした。

f:id:wata8tayu:20160331105957j:plain

興福寺金堂)

そうして、小夜姫が、自ら身を売って、陸奥へと旅立つくだりは、本文をお読みいただくとして、その身売りの先は、奥州陸奥の国、安達の郡だったのでした。小夜姫は、龍の身御供にするために連れてこられたのでしたが、法華経を読誦して、龍を成仏させるのでした。

f:id:wata8tayu:20160331111826j:plain

(壺阪寺の奉納額の一部)

f:id:wata8tayu:20160331112004j:plain

福島県郡山市和田町:安積沼:ここに龍が棲んでいた。)

成仏できて喜んだ龍は小夜姫を乗せて水底にもぐると、あっと言う間に、故郷に送り帰したと言います。戻って来た所は、猿沢の池でした。

f:id:wata8tayu:20160331112854j:plain

奈良公園猿沢池