稽古場:ゆやんたん文庫 奈良市敷島町
問い合わせ先 wata8tayu@gmail.com

新春イベント ご案内 「さまよい安寿展」

今年1月の猿八祭りでお世話になった東京馬喰町のART+EAT。来年の新春イベントも決まりました。屋敷妙子画伯の原画展「さまよい安寿展」の期間内で2回のイベント「旅するカタリの夜」を企画しました。詳細は、チラシをご覧下さい。

 「さまよい安寿」は、平成27年度に新潟日報に連載されましたが、この12月に、せりか書房より、画集付き「平成山椒太夫」として出版されます。姜信子の記事もさることながら、毎回、紙面を飾った挿絵の奇妙さが目を引きます。いったい、何故、この絵になるのか・・・。その消息は、2回目のイベントで明らかになるでしょう。尚、原画は、会場で即売されますので、お見逃し無く。

 さて、「三庄(荘)太夫」という書き方は、説経祭文特有の書き方です。江戸時代の後期に薩摩若太夫が創った説経祭文「三庄(荘)太夫」には、独特のストーリーがあります。一つは、上越にある乳母嶽神社の本地を説く「宇和竹恨段」。そしてもっと独特なのは、「骨拾段」です。この段では、由良の三庄太夫によって殺された安寿が、幽霊となって登場するのです。「骨拾」は1回目、「宇和竹恨」は2回目のイベントで語ります。ちなみに、この若太夫祭文の正本は、この会場の付近「馬喰横山町」で、刷られたものですので、それだけでも、レアです。(と、私は興奮しています)

 さらに、今回の見所は、舞踊手堀川久子のと語りの者たちの一夜限りの、セッションです。鳥肌が立つこと間違いなし・・・でしょう。

ところで、「浪読」という聞き慣れない演目があります。姜信子の書き下ろし新作「八百比丘尼」を奈々福さんがお読みになるという訳で、「ろうどく」なのですが、「なみよみ」と読むそうです。これも、ちょっと聞き逃せないです。

さらに、ART+EATの山口愛さんが、安寿の漫画を作成中ですので、これも楽しみです。

 盛りだくさんの企画です。しかもここでしか多分、聞けません観られません。是非おいでください。問い合わせは、ART+EATまで。

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歌と朗読で出会う韓国と日本

神保町の韓国書店「チェッコリ」でのイベントがあります。

10月30日 18:00から

〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-7-3 三光堂ビル3階
地下鉄神保町駅A5・A7出口徒歩1分

チェッコリのページをご覧下さい。

 

韓国語は読めませんが、以下チラシです。

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姜信子と八太夫は、「はじまりの歌」「ソルムンデハルマン」等披露します。

九州での拾いもの

熊本の旅の最終日の予定は、唐津で「佐用姫伝説」の調査でしたが、この日の九州北部はものすごい雨でした。鏡山に上がりましたが、車の外にも出られない程の降り方です。海を眺めるどころではありません。大雨洪水警報が出たので、急いで下り、調査は中止。仕方無く、宗像市赤間の古書店アクスにお邪魔しました。びっくりしたことに、ザルや籠の飾りに、浄瑠璃の版本が貼り付けてあります。「巡礼お鶴」でした。これは、どういうことですかと、店主に尋ねますと、ばらばらなので、下張りに使ったとのこと・・・ああ、勿体無い・・・と騒いでいると、まだありますよと、出て来たのがこれ。

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ばらばらなものは、もっとありましたが、読めそうなのは、この二冊。「一の谷嫩軍記熊谷陣屋」と、しかもひとつは「葛の葉」です。ああ、よばれたなあと思いました。それに、ちょうど「親鸞」(吉川英治)を読んでいたところですが、たまたま、熊谷も蓮生坊として登場の場面でしたので、ますます、びっくり。

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ちょっと、読んで見ます。表紙には、「狐別の段」を「こわかれ」と読ませているようです。

「蘆谷道満大内鑑 四段目」

(溜息)『ついたる折からに 立ち帰る 安倍の保名

それと見るより 「やあ 庄司殿御夫婦か」

「お身は保名か のう懐かしや 懐かしや」

「それは この方も

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御同前(然) 先ず奥へ いざ御案内」と立つ袂を控え

「先ず先ず、急に渡す物あり これ預かりの葛の葉 

連れて参った 渡し申す 婿殿」と 引き合わされて

葛の葉は 遉(さすが)二人の親の前 言わで心を知れかしの』

(顔に会釈ぞこぼれける)

 

これは、浄瑠璃「蘆谷道満大内鑑」なので、人間の「葛の葉姫」

が、保名の家を訪ねてきて、狐の「葛の葉」と鉢合わせしてしまうのです。

 

 この本は、稽古本とあるだけに、稽古の跡が良く見てとれます。持ち主は、「藤八平」でしょうか?「古楽」でしょうか?裏書きの村の名前が読めません。

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板元の「西宮新六」は、江戸時代後期の江戸の問屋です。遙々江戸から伝わった台本を使って、炭鉱の町の浄瑠璃が語られていたのでしょうね。

 

六根清浄 秋まつり in熊本

熊本に行って参りました。まだまだ地震の痛手は癒えていませんが、この石牟礼道子氏の物語は、この災害を予言していたかのようです。・・・六根清浄・六根清浄・・・「水はみどろの宮」

9月10日:於 熊本市 橙書店

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物語では、阿蘇が噴火して、大地震が起こる。お寺の屋根が崩れる場面が、お城の崩壊と重なってしまう。しかし、物語は、それで終わるわけでは無い。再生の物語がつづく。人間でないもの達の密かな祈りによって、世界が再び蘇る。蘇生こそが、説経の核心にあるテーマだ。

9月11日:於 久留米市 デイサービスみんなの時間

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片耳オノンの祈り

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権の守(ごんのかみ)の祈り

みんなの時間の中村ひろみさんには、ナレーションを手伝っていただきました。また、職員の皆さんにも、ぶっつけで踊っていただき盛り上がりました。ご協力ありがとうございます。

(映像:山福朱実)

 

八太夫会/千年文庫 浴衣復習い(第1回歌とかたりの会)

八太夫会での稽古は、相対ですることが多いので、弟子同士が稽古で会うということは、ほとんどありません。そこで、年に一度は、ということで、新年会を兼ねての「弾き初め会」を行って来ました。今年は、稽古場が広がって、千年文庫も併設したので、ミニイベントを始めようと考えていた所ですが、いきなり一般向けにイベントを打つと言う訳にも行かず、第1回目は、手始めに身内で、「浴衣復習い」の会をすることにして、身近なお客さんにお声掛けさせていただきました。というよりも、暑気払いという飲み会になりました。

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長唄 楠公 三味線 石橋迪子

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説経祭文 三荘太夫 宇和竹恨段

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新作のテスト: 妄犬 featuring 鷺娘

朗読と長唄の・・・なんと言ったらよいのか・・・対決・・?

 

 

熊本 橙書店 橙大学番外編

9月10日(土)熊本に八太夫が再び出現予定。祭文を語って、六根清浄いたしましょう。

石牟礼道子氏原作「水はみどろの宮」、姜信子の新作「妄犬日記」

熊本文学隊の皆様、宜しくお願いたします。

案内は、橙書店ブログへ。

はじまりはじまりはじまり 姜信子の世界×今様祭文

神保町にある「韓国の本とちょっとしたカフェ チェッコリ」

8月19日(金)の19:00からのイベントがあります。山福朱実さんの原画展も明日よりはじまります。東京方面の方は、ちょっこり覗いて見て下さい。

今様祭文は、「愛」のはじまり、「ソルムンデハルマン」。済州島(チェジュ)の神話です。

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