稽古場:ゆやんたん文庫 奈良市敷島町
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恵泉女学園大学大学院国際シンポジウム

「旅するカタリ 越境する声のチカラ」と題し、「日韓の語り芸を聴く、感じる、言葉を交わす」という会が行われました。恵泉女学園大学の学園祭「恵風光彩」の華やかなムードの中で、シンポジウム会場だけが、なにやら、不穏な雰囲気です。

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瞽女唄:萱森直子 「山椒太夫 船別れの段」

瞽女唄のレパートリーの中でも、段ものの祭文松坂は説経祭文との関連性が強いが、特に山椒太夫は、文句もほぼ同じである。

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説経祭文:渡部八太夫 「信徳丸一代記 継母呪いの段」

3段分を20分にまとめた短縮版の初演でした。写真は何をやっているかというと、呪いの釘を打ったら、血潮が吹いたという場面。たんたんと歌う瞽女唄とは正反対の外連(ケレン)。

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パンソリ:安聖民(アン・ソンミン) 趙倫子(チョウ・リュンジャ)(鼓手)

 「沈清歌(シムチョンガ)開眼の場」

主人公が親孝行娘の沈清(シム・チョン)。クライマックスの開眼の場面は、何回聴いても、凄いパワーをいただくのですが、その前の場面、「ペンドギネ」という名前の女に騙されるシム・チョンの父、盲目のシム・ハッキュが身につまされる。

 

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恵泉女学園大学客員教授 姜信子による発題「旅するカタリ 越境する声のチカラ」

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総合司会の笹尾先生、パネルディスカッション司会の佐谷先生、コメンテーターの瀧口先生、大変お世話になりました。

 

渦40 「からまる2017秋」に出演決定

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以前、一度勉強で、見に行ったことがある「渦」企画です。その時は、こういう芸人さん達が、たくさんがんばっていなあと、感心して帰ってきました。渦産業の木村さんからご連絡いただき、誠に光栄の至り。力一杯勤めさせていただきます。説経祭文「信徳丸一代記継母呪いの段」姜信子脚色を持って上がります。

よみがえる説経祭文の夜 第2回目 ケモノたちが現れた

国立ビブリオでの「説経祭文の夜」第2回目は、第1回に増してエキサイティングな夜となりました。これも、ゲストのディネーシュ・チャンドラ・ディヨンディのタブラが妖しく絡みついてくるからでしょう。タブラが、本当に神を降ろしました。私の怪しい神下ろしより確実です。

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説経祭文山椒太夫山別れ・国分寺段(姜信子脚色)

タブラとの共演は勿論、初めての試みでしたが、何を弾いてもすっと入って来ていただけるので、大変気持ちが良かったです。

さて、肝心の「国分寺の段」も、現代的にアレンジして、今様仕様に姜信子が脚色したものの初公開でした。この段自体、肉声で語られたのは何十年?何百年ぶりかわからないぐらいレアものですが、楽しんでいただけたようで一安心。

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姜信子作「妄犬日記」を著者自身がかたる

これも、初公開(内輪ではやっているのですが)女「K」が強烈です。BGMが長唄「鷺娘」。地獄まで引き回さなければなりません。これも、結構、力業。多分、長唄には聞こえません・・・(浄瑠璃長唄・・・?)

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宮沢賢治星めぐりの歌」狂犬こと末森氏の登場で、妄犬、狂犬、打犬、山犬の四犬の揃い踏み。先日つくった、自在カセは役に立ったが、ご愛敬程度のセッションで、すいませんでした。それにしても、今回は、異種格闘技的なセッションが、大変面白かったです。

さて、来月は第1期最終回。11月25日(土)です。ご期待下さい。

恵泉女子学園大学大学院国際シンポジュウム

「旅するカタリ、越境する声のチカラ」11月4日(土)午後1:00より

女子の大学ですから。当然、女子なんです。テーマが。「世界を震わす女」を演じろというわけです。怖いですねえ。恐ろしいですねえ。この世で一番怖いのは、女です。萱森直子さんが、瞽女唄で、「山椒太夫 舟別れ」つまりは宇和竹の恨みですね。パンソリは安聖民(アン・ソンミン)さんで、シムチョンガ。娘シムチョンは、父親の目を開けるために身を売りますが、その結末が凄い。説経祭文は、八太夫が日高川入相花王。私だけ、男・・・焼き殺されるのは、私か?

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よみがえる説経祭文の夜 第2回目 ケモノたち現る

大好評の国立ビブリオ公演の第2回目は、10月14日(土)です。

はじめての、連続公演企画なので、おっかなびっくりなんですが、二度と同じ事はできないので、二度と同じものは見る事が無いと思っていただいて良いと思います。さて、2回目は、祭文と婆羅門の共演・・・仏・神・山伏・ヒンズーで何が出て来るのか。やる方が楽しんでいてはいけませんが、本当にわかりません。来ていただかないと、説明もできないでしょう。その上、姜信子の話題作「妄犬日記」を、本人が朗読というレアな企画や、狂犬ヒデキこと末森さんのギターが吠える等、かいもく見当がつきません。

ほんとに、アドリブな夜になることでしょう。

因みに、私の演目「説経祭文山椒太夫:国分寺」は、本当に初演です。

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九州公演 台風18号と共に去りぬ 

台風除けのおまじないは、効いたのか効かなかったのか・・・

改めまして「ふくちのち」図書館での公演が中止になりましたことお詫び申し上げます。次回の企画を楽しみにしております。

さて、「水はみどろの宮」の公演ができなかくなったので、急遽、熊本橙書店でのイベントで、ほんの触りだけですが、権の守の所をやらせていただきました。それというのも偶然にも、「穿(うげ)の洞窟」を発見してしまったからでした。

 私たちは、物語に出て来る「穿の宮」が実在しているとは思っていなかったのです。ところが、宮崎との県境近く、緑仙狭という秘境の中に、「穿の洞窟」というのがあって、それを御神体とする「穿神社」があるというのです。雨の中、捜し廻りますが、なかなか見つかりません。地元の方に尋ねてようやく辿り着くことができました。由緒書きによると、ここは、緑川の源流で、昔は「みどりの宮」と呼んだと書いてあるではありませんか。まさに、「水はみどりの宮」ということなのでした。石牟礼さんは、このことを踏まえて、この物語をかかれたのだと納得。その興奮さめやらぬ内に、その夜のイベントになった訳でした。

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遙拝所から穿の洞を拝礼する

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橙書店で「水はみどろの宮」の部分「権の守」を語る

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「権の守」の話しはだんだん、山伏の話となり、当然「修験」の話しになる。先日の出羽三山峯入り修行の話しが大受けでした。

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さて、翌日は、久留米へ。3回目になるデイケア「みんなの時間」イベント。前半、山椒太夫「骨拾いの段」で震撼としていただき、後半はがらりと変わって、姜信子作「犬道成寺」で、笑っていただきました。今年も職員のみなさんが大活躍。主役犬清姫役は、中村ひろみさん。フクロウの村人、淵田さん。カエルの飛脚、会津さん。タヌキの坊さん、日高さん。サルの船頭、北村さん。ぶっつけ本番、ありがとうございました。

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又、来年もよろしくお願いいたします。