稽古場:ゆやんたん文庫 奈良市敷島町
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山伏祭文西国行脚、秋の旅

京都・大阪・福岡と三カ所を廻ります。

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最終日は、福岡市宗像へ

不知火浄瑠璃(しらぬいじょろり)ば語りましょうかい。
   ~旅の祭文語りが歌い語る石牟礼道子の世界~
 
日時:10月16日(火)13時30分開場  
          14時開演(~15時30分)
 
                         場所:多禮公民館
       出演:渡部八太夫(祭文語り)  
          姜信子(作家)
       演目:『西南役伝説』より「六道御前」。
          『あやとりの記』『椿の海の記』より、
 
           「おもかさま」、「みっちん」、
           水俣のあの衆たちの声、声、声!、
 
お近くの方々、宜しくお願いいたします。

 

 

追悼 石牟礼道子さん 説経祭文の旅 in 九州

石牟礼さんが出演された晩年のテレビ番組を見ていて、感じたことは、「みっちん」に戻っていくのだなあということ。お顔が、子供の頃になりたかったという狐に似てきました。そこで、今回は「みっちん」を探そうと、密かに思っていたのでした。みっちんの見たもの、聴いたもの。

9月2日(日)

 まずは、福岡入り。福津市のうらんたん文庫さんでのライブは、山福朱実・末森樹チームの「みどろの宮」とのジョイントでした。こちらは、「苦海浄土」より「九竜権現」。胎児性水俣病の杢太郎少年の話。宿泊までさせていただいき恐悦至極。すばらしいスタートがきれました。

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9月3日(月)

はじめての水俣。昼は「みっちん」の目になってきょろきょろ。夜は、湯の鶴温泉の諸国屋本舗で、ライブ付ディナーショーでした。出し物は、前日と同じ。

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初めて見る不知火海(明神さんより)

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湯の鶴温泉の清流

9月4日(火)

一日がかりで、水俣「みっちん」探索。どこもかしこも、物語にでてくるその場所であるわけだか、なんといっても、「大廻りの塘」(うまわりのとも)の風が心に残った。

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昔の海岸ぶち。大廻りの塘は、みっちんの遊び場だった。

夜は、山へあがり、久木野の「愛林館」にお世話になりました。ここでは、説経祭文山椒太夫の「骨拾い」を演じました。しかも、館長の沢畑さんに、アフリカの太鼓をたたいていただいて、大変もりあがりました。ところが、一番受けたのは、打ち上げで持ち出した「椿の海の記」の中の「雨乞い」でした。やはり、石牟礼さんがとりついています。

9月5日(水)

熊本へ移動。真宗寺の納骨堂に参拝し、石牟礼さんにご挨拶いたしました。

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9月6日(木)

熊本学園大学での姜信子集中講座が始まる。八太夫も語りや朗読でサポートする。

9月7日(金)

この日は、阿蘇根子岳へ。みどろの宮に出てくる「山猫おのん」はこの「ねこだけ」に生息しているわけだ。

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夜は、熊本市の橙書店でのミニライブ。石牟礼作品の中でも初期の作品である「西南役伝説」より、「六道御前」を初演。耳の肥えた方々と膝つめで、びびりました。

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ここでも、「雨乞い」をやったのですが、翌日から大雨になりました。ごめんなさい。

9月8日(土)

再び、終日、大学の授業。夕方には、山都町緑仙峡の清流館へ。「水はみどろの宮」のその「穿(うげ)の宮」が実際にある所で、奉納祭文をさせていただきました。ところが、お宮への路は、昨年の参拝の後の台風で崩れてしまったので、直接のお参りは、残念ながら出来ませんでした。

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9月9日(日)

和文楽の見学や、釈迦院の参拝などなど、石牟礼さんの足跡をたどる。

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農村芝居特有の写本

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横で、すみません。「ぽっくりでら」と書いてあります。釈迦院に詣でると「ぽっくり」死ねるんです。チューブだらけにならずに・・・ありがたいことです。

さらに、その夜は、菊池恵楓園に足をのばしました。ハンセン病家族訴訟の大阪からの応援団へ、陣中見舞いという結果になりました。「葛の葉」を押し売りしました。

9月10日(月)

最終講義を終えて、定番の片岡演劇道場へ。これが今回の〆です。

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今回も、沢山の方々にお世話になりました。改めて、御礼申しあげます。また、お目にかかりましょう。

 

 

 

また蘇ってしまった説経祭文 in 国立ビブリオ

真夏の暑い夜を震撼とさせようと思っていましたのに、急に秋めいてしまって、拍子抜けでしたが、早い夏は、やはり早く終わるもんだと、少し安心しました。

さて、昨年に引き続き、説経祭文の実験的企みはまた、国立のギャラリービブリオにお世話になりました。

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江戸時代の私。山伏祭文の実証であります。この祭文がたりのいかがわしさを、受け継ぎたいものです。

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信徳丸一代記は、若太夫系の台本も残っていますが、正本が見当たらず、写本しかありません。もし、どこかに正本がありましたら、教えてください。今回の台本の床を詳しく書きますと、以下のようなクロスオーバーです。

底本は、日本庶民生活史料集成第17巻に掲載されている「新潟県上越市(高田)市川信次所蔵 薩摩若太夫正本写本」これは、つまり瞽女さん関係の所にあった写本ということです。それに、会場でお話した、新潟県新発田市教育委員会発行の「阿賀北瞽女瞽女唄集」を参考にしています。ですから、説経祭文から瞽女さんのところに伝わって、また私が、逆輸入して祭文に仕立てたということになります。それもまた、およそ150年の間のことでしょう。

継母の呪い釘

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異例(癩病)となる信徳丸 (以上、作画:渡部萌)

これから、始まる説経祭文女シリーズの先駆けとなりました。

さて、明治150年。桃太郎というのは暗示的ですが、尻つぼみのこの物語の結末は、実は、これでよかったのだと、やってみてようやく納得しました。日本はこのままでは危ないぞ。ぼかーんだ。

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今回は、嵐山光三郎先生もご来場いただき、打ち上げにも残っていただきました。様々なご指導をいただき、恐悦至極でありました。励みになります。

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さて次回は、さらに混迷の度合いを深めるか・・・

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乞うご期待。

また蘇る 説経祭文の夜 いよいよ

異常に暑い夏を、少しだけ冷やします。8月18日(土)18:00より、国立ギャラリービブリオに御参集ください。まだ間に合います。予約は、ギャラリービブリオまで。042-511-4368

説経祭文「信徳丸一代記」継母呪いの段

作画は、渡部萌。八太夫の末娘が描きました。初の親子共演となります。乞うご期待。

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作画:渡部萌

後半は、「鬼桃太郎」。姜信子と八太夫の掛け合いでお送りいたします。

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原作:尾崎紅葉 脚色:姜信子

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旅するカタリ 9月九州巡業 お知らせ

プロジェクト8マン企画。9月2日より、「旅するカタリ」は九州にお邪魔いたします。日程は、以下の通りです。九州の皆々様、宜しくお願いいたします。

9月2日(日)  福岡県福津市 於 うらんたん文庫

        17:00より 演目 苦海浄土

山福朱実さん末森樹さんチームと久しぶりに競演、楽しみです。

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9月3日(月) 熊本県水俣市 湯の鶴温泉 於 諸国屋本舗  19:00から 演目 苦海浄土 椿の海の記

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9月4日(火) 水俣市 於 愛林館 19:00から

       演目 説経祭文山椒太夫「骨拾い」段

9月7日(金) 熊本市 於 橙書店 19:00から

       演目 西南役伝説より「六道御前」

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「すんなら、じょろりば語りましょうかい」

旅の祭文語り 石牟礼道子『西南役伝説』より、「六道御前」を語ります。みっちんの詩を歌います。

    じょろり語り: 渡部八太夫

    与太話  : 姜信子     

日時   2018年9月7日(金)

            18時半開場 19時開演

       参加費  2000円(1ドリンク付)

定員   30名 

※ご予約は、電話 096-355-1276
もしくはメールにて、info@zakkacafe-orange.com

 

9月8日(土) 上益城郡緑川 於 清流館 18:00から

       演目 水はみどろの宮

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 以上、お楽しみに。合間の日には、阿蘇山のあたりで、法螺貝を吹いてまわります。法螺貝が聞こえたら、八太夫が来たと思ってください。

旅するカタリ2 in  忘日舎

旅するカタリ《山伏祭文と文学と》の第2回目は、物語の渚。海をバックに、石牟礼道子苦海浄土より山伏祭文「九竜権現」を、また後半は、妄犬日記の一部と、姜信子書き下ろし現代説経「百合若大臣異聞」をお届けしました。百合若大臣は、この一週間の突貫工事でしたが、なんとか間に合いました。暑い中、ご参集いただき誠にありがとうございました。

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写真上↑は、石牟礼道子作あやとりの記より経文「流々草花」読経の場面。九竜権現の勧請の意味も、石牟礼さん追悼の意味も含めて。もくろみどおりの「耳なし芳一」状態で、かなり怪しい。

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妄犬日記。朗読姜信子。自作自演。

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海の動画の中で演じた「百合若大臣異聞」は、姜の朗読と八太夫の祭文の掛け合いとなり、やがて本当に神がかった。きっと、ぞっとして、少し、暑気払いになったのではないでしょうか。この海は、実は新潟の「角田岬」で撮影してきた映像でした。

今回も貴重な空間をご提供いただきました忘日舎の伊藤様に深く感謝申しあげます。さて、別れ際の話しでは、旅するカタリin忘日舎シリーズは、クリスマスの頃に第3回があるかもしれません。