稽古場:ゆやんたん文庫 奈良市敷島町
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よみがえる説経祭文の夜 最終回 人生は執念

一番はらはらした第3夜が、一番爆笑の夜となりました。「泣き」しかできなかった説経祭文が、「笑い」を模索した今回の企画は、確かな手応えをいただいたと言えるでしょう。

先ずは、泣きから。「山椒太夫」通し狂言の最終回

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骨拾いの段(絵:山口愛

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鳴子曳き・親子対面の段(写真:人形浄瑠璃猿八座)

古典の良さも知っていただきつつ、でも、このままお帰りいただいては、夢を見るかもしれませんので、次は、笑っていただきましょう。という訳で、姜信子翻案による「犬道成寺」、数ある道成寺ものの新ジャンル。演じまするは即席の「山犬座」。

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「Wan珍」を追いかける「犬清姫

なぜ、犬なのか・・・妄犬即ち、姜信子の作品だからです。人形作者の「くまあやこ」氏は画犬といわれ、八太夫は既に山犬と化している。

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浄瑠璃の「日高川入相桜:天田堤の段」で、清姫が最初に出合う村人は、フクロウ。

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次に、ぶつかる飛脚は、カエル。

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清姫を幽霊扱いする修行僧は、タヌキ。

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渡し場のいじわる船頭は、サル。

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鐘に巻き付く龍女犬清姫。Wan珍は、焼き尽くされるが、実はそれで終わったわけでは無いと、この祭文は言う。なんと、結句は、「Wan  more  time」で大爆笑。この笑いは、どうも私の語りだけでは成り立たない。直前まで稽古した、この優しげな人形たちのお陰でありました。

姜信子作 今様祭文「犬道成寺」 初演

かたり 渡部八太夫

人形師 くまあやこ 

人形遣い くまあやこ 石橋迪子

道具・下座 姜信子

 

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