四日間に渡り、様々な芸人さんを下北沢に集めた「渦40」の千秋楽は、「まざり渦」。出演の6名がそれぞれまったく別の芸を披露するという日だ。出演者の写真撮影コーナー。左から、竹田裕美子、李政美(イジョンミ)、岡大介、さこ大介、柳家小春の各氏。
番組順に言うと、岡大介(たいすけ)さんはカンカラ三線で演歌を歌い、ちょっと可愛くアジテーション。さこ大介(だいすけ)さんは、只のギタリストではない。自作の「3年100ドル」でキラリと渋く、反骨を歌う。柳家小春さんは、ほっとする、端唄。八太夫をはさんで、大トリは、李政美さんと竹田さんのコンビ。いつもの美しい歌声で、ありらんありらん。
さて、八太夫は、「信徳丸一代記:継母呪いの段」
ところが、その本題よりも悩んだことがあった。先行する出し物を拝聴して気が付いたのは、寄席という所は、なんであれ「喋り」が必要らしいということである。どの方も流石。まったく自然なおしゃべりで場を創っていらっしゃる。実は、私にはあまりそう言う経験が無い。第一、芝居をやるのに余計な「喋り」は無用だし、祭文をやるにしても、大概は前説を付ける事が多いからだ。つまり、大抵はジャジャンと始めれば良かったのだが、はたと困った。細切れに次々と別の演者が別の出し物をするのだから、その都度、自分で「場」を創らねばならないのか。これは、まったくの初心者だ・・・何を、どう話したものか、頭を悩ます、本番までの約30分。
助かったのが、スタッフさんが用意していた、演者紹介のテロップ。それには、よくぞ書いていただきました。「ウクライナ帰りの浄瑠璃師」。
むう、そういえば、キエフの教会で、ウクライナ正教のミサにびっくりして、「南無阿弥陀佛」だったなあ。
というわけで、「ウクライナで修行してきたばかりの祭文語りです。」という話しで無事に乗り切らせていただきました。
大変、貴重な経験をさせていただき、勉強になりました。渦産業の木村万里様はじめ、スタッフの皆々様、本当にありがとうございました。