稽古場:ゆやんたん文庫 奈良市敷島町
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西荻窪忘日舎 野生会議シリーズスタート

野生会議99(ペクス)は、資本主義の世界観で互いにつながれている(あるいは切断されている)私たちが、根源的な命への思いをよりどころにつながりなおしていく「場」です。忘日舎はその根拠地のひとつです。ここでの集会の一回目は、谷川ゆにさんを招いて、私たちが今、どこに立っているのか、その地平を感じ取ろうと試みました。

前半は、石牟礼道子苦海浄土から「ふゆじどん」でした。これは、いわばペクス宣言のお話です。熊本の「ふゆじどん」は一人では生きていけません。身の回りのことすら満足にできませんから、誰かの助けがいりますが、助けてくれるその相手も「ふゆじどん」です。「ふゆじどん」は自分のことはできませんが、なにかしら人の助けにはなるのですから、まあ、そんな「ふゆじどん」が集まれば、全体的には充分生きていけるのです。石牟礼さんがこの民話を苦海浄土の中に挟み込んだのには大変重要な意味があると思います。不完全なるのものこそ、それ故に神であり、その神々は、助け合って生きていくわけです。神は完全なものというのは間違いです。さて、それが寄り集まって生きて行く。そこを「島」と呼びます。それが人間が生きているという実感のある範囲のことだと思います。

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中央:谷川ゆに氏



『「あの世」と「この世」のあいだ たましいのふるさとを探して』の著者、谷川ゆにさんが、立って居るところは、宮沢賢治で言えば「サガレンと八月」ではないだろうか。あちらの「声」がこちらの「言葉」では表現できないから困るのです。そして、この「サガレンと八月」が未完であるとうことは、我々にこの問題を永遠に突きつけたままということになる。ぐさっと。谷川ゆにはジャンヌ・ダルクのように旗を掲げて、みんなを率いてこの問題に果敢に挑戦して行く・・・かな。

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