東京公演の初日は、「被災物-モノ語りは増殖する」(かたばみ書房)刊行記念イベントが行われました。この「本」(ほん)は、まさに、我々が足で紡いできたモノ語りである。しかしそれは、あるひとつの断面にすぎないが、そこから、また新しいモノ語りが始まることを、期待というよりも、必然的に、生まれるだろうという確信の元に、まとめられた「本」(もと)であると、改めて感心させられた。そうして、このイベントでまた、新しくモノを語る人が、出現した。今後、この本を手にした方は、読むだけでなく、「各自、応答セヨ」。応答しなければいられないようになっているのだから。そうである。応答の仕方もまた、みんなそれぞれ自由である。是非、是非。
https://monogatari-workshop.jimdosite.com/
二日目は、百年芸能祭である。だんだん、百年芸能祭が毎月のペースになってきてるのではないだろうか・・・日本各地に粘菌的に増殖するのは勿論いいことだが・・・今年は、いそがしいぞよ。
さて、今回は、若手の「繭&零」による「百年の予祝のひびき」が、斬新だった。もう、おじいさんには手の出ない、コンピュータを駆使しての音作りである。でも、それは、おもったよりアナログで、実際に水を手ですくったり、回したりし、水の音を表現したり、ベニヤ板が、心臓の鼓動を発したり、岩や石のつぶやきが、本当に石をおとして聞こえてくる。それは、曼荼羅を音にするように仏教音楽が生まれたのとまったく同じだと感じた。
次は、昨年来お世話になった、「さとさとみ」さん。新曲「1.1 ~能登へ~」を歌っていただきました。東日本大震災の被災者として、亡くなった娘さんが、いつも肩越しに、一緒に歌っていると、感じます。
次は、ナマステ楽団だったのですが、タブラ奏者のディネーシュ・ディオンディー氏が高熱でダウン。急遽、お客さんできていたダンサーを動員、ピヨピヨ団もバックを担当というわけで、なせが「狂犬ダンサーズ」に・・・
われらピヨピヨ団は、パレスチナ連帯の歌「バラ色の歌~Amen~」(姜信子作詞 深田純子作曲)、能登地震の歌、新曲「くらやみに歌う」(深田純子作詞作曲)などを披露。
ちなみに、開幕の鎮魂チンドンを少し変更して、新バージョンに。「パレスチナ殉教者名簿転読」で鎮魂供養を行いました。
さて、おおとりは、「ジンタらムータ」、大熊ワタル氏、こぐれみわぞう氏、近藤達郎氏の三人ユニット。反骨・抵抗・戦いの歌を歌い続けていらっしゃる。「不屈の民」「平和に生きる権利」等のおなじみの曲を、生でじっくり聴くことができました。大変力強いものを感じました。これを、糧にわれらも、老いを吹き飛ばしてがんばらねばと・・・思う次第・・・
ラストは、頼まれもしないアンコールで、「復興節」と「平和に生きる権利」のそれぞれバージョン・・つまり、これも「モノ語り」の増殖・・・で歌いました。
ほんとに、百年芸能祭の粘菌的増殖が、始まっているんだなあと感じました。これがあと99年、続いて行きます。
今回の東京公演企画にあたっては、かたばみ書房の小尾氏、ツォモリリ文庫様に大変お世話になりました。この場を借りて、深く御礼申しあげます。
次回、百年芸能祭は3月17日、大阪ピースクラブにて!