稽古場:ゆやんたん文庫 奈良市敷島町
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千年文庫 開所 記念公演

東京八王子の稽古場に、千年文庫を開設しました。かたりものに関する資料を、充実させようと考えています。5月15日、開所式の「はじまり はじまり はじまりの宴」が開催されました。東京の片田舎に、遠路は新潟からも駆け付けていただき誠にありがとうございました。これから、説経祭文を中心として、新たなかたりものを模索するとともに、古来の説経や祭文を、共有していく機会を提供して行きたいと思っております。

 

「水はみどろの宮」石牟礼道子作 姜信子翻案 於千年文庫

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祭文かたり 渡部八太夫

 

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語りと歌 山福朱実

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クラッシックギター 末森樹

撮影:姜潤

 稽古場に新設した「千年文庫」

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 かたりもの八太夫会/千年文庫

八王子市戸吹町332-6

グーグルマップに表示されます。

Google マップ

web 千年文庫 「中将姫」めぐり

既に説経「中将姫」原文を八太夫ホームページに掲載しましたので、ご覧下さい。

中将姫は、この寺で生まれたという。残念ながら、拝観することはできませんでした。

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奈良市:奈良町にある誕生寺)

誕生寺の近くにある、高林寺は、中将姫が御修行された寺ということです。訪問のタイミングが悪く、こちらも拝観はできませんでした。

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継母から逃れて隠れたのは、「日張山」、この山は、元々「薬草」の山であった。

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(日張山青蓮寺:奈良県宇陀郡田野町宇賀志)

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青蓮寺の御住職に、「ここには、中将の湯という温泉があるんですか。」と、真面目に聞きましたところ、笑われました。「ちゅじょうとう」と読むのですか・・・しかし、この「薬」というのが、どうも重要なポイントらしいです。

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石光寺(染寺)の中将姫像と染め井。ここで、染めた蓮の糸で、曼荼羅を織ったのは、「當麻寺」というわけです。(葛城市)

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お墓があるのが、奈良町の「徳融寺」

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web 千年文庫 「松浦長者」 小夜姫をたずねて

既に、八太夫ホームページ「松浦長者」で、説経原文を掲載してありますので、ご覧下さい。

「松浦長者」は、竹生島弁財天の由来を語る本地物ですが、お話しのスタートは、奈良の壺坂です。松浦長者は、財はあっても子宝にめぐまれませんでしたので、長谷観音にお参りしました。

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お願いしたのは、この観音様でした(十一面観音立像)。そうして誕生したのが、小夜姫でした。ところが、小夜姫が4歳の時、松浦長者は36歳の若さで、この世を去ります。それから十三年がたったある日、母は長者の菩提を供養するお金が無いと歎くので、小夜姫は、自分の身を売ることを決心するのでした。その願掛けに春日大社をお参りしますと、通り掛かった興福寺の僧が、「それ、親の菩提を問うというは、身を売りてなりとも弔うを大善」と説法しているのを聞き、門前には、『見目良き姫のあるならば、値を良く買う(こう)べきと所はつるや五郎太夫』という高札があるのを見るのでした。

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興福寺金堂)

そうして、小夜姫が、自ら身を売って、陸奥へと旅立つくだりは、本文をお読みいただくとして、その身売りの先は、奥州陸奥の国、安達の郡だったのでした。小夜姫は、龍の身御供にするために連れてこられたのでしたが、法華経を読誦して、龍を成仏させるのでした。

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(壺阪寺の奉納額の一部)

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福島県郡山市和田町:安積沼:ここに龍が棲んでいた。)

成仏できて喜んだ龍は小夜姫を乗せて水底にもぐると、あっと言う間に、故郷に送り帰したと言います。戻って来た所は、猿沢の池でした。

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奈良公園猿沢池

 

 

 

 

 

 

新しい「かたりもの」の世界を探して

「かたる」為に、書かれた文言があるかと思えば、「かたり」たいのだけど、「かたれる」様に書き直さなければならない文言もあります。ここに、「かたる」為に書かれたわけではないのに、読んだ瞬間から、「かたり」たくなる文言があります。石牟礼道子氏の「水はみどろの宮」。

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      石牟礼道子 作・山福朱実 画
     『水はみどろの宮』挿絵原画展
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長く絶版だった石牟礼道子さんの『水はみどろの宮』が
山福朱実の挿画を加えた新装版として、福音館文庫から
出版されました。その刊行を慶ぶ原画展を開催します。

期 間:2016年5月10日(火)~22日(日)/16(月)休
    火〜土 11:30〜23:00/日 11:30〜18:00

催 し:『はじまり一座』歌い語りの世界
  日時:5月21日(土) 午後7時開演
  料金:1Drink付 前売 3.000円/当日3.500円
  出演:渡部八太夫(三味線 語り)+姜信子(座付作者)
     末森樹(ギター)+山福朱実(歌 朗読)

会 場:Space&Cafe ポレポレ坐
    164-0003 東中野4-4-1 ポレポレ坐ビル1F
問合せ&予約:ポレポレタイムス社 03-3227-14054

 

以下のリンクもご覧下さい。

山福朱実☆べむべろ通信

お知らせ / ポレポレ坐

 

 

2016年新春 八太夫会は<かたりもの 八太夫会>と名をあらためます。

ご挨拶

 

皆さん、こんにちは。渡部八太夫です。

 

私は東京多摩地区の農村歌舞伎を出発点に、義太夫長唄、説経祭文、文弥節(古浄瑠璃)と修業を重ね、独自の語りと三味線の道を切り拓いてきました。 

 

八王子戸吹に2009年に説経稽古所として看板を掲げ、次いで2011年に三味線教室薩摩会を立ち上げ、2013年に13代目薩摩若太夫名跡の返上に伴い、薩摩会を八太夫会と改めました。

 

このたび、2016年 丙申の年を、佳きはじまりのときとして、あらためてみずからの来し方を見つめなおし、説経稽古所としてはじまった当会の看板を新たに掲げ直すことと致しました。

 

時は移ろえども、志はつねに<語り>とともにありました。

その思いも新たに、<八太夫会>は、<かたりもの 八太夫会>と名を改めます。

 

<かたりもの>に三味線は大変重要な要素です。今までどおり、語り物と三味線を稽古する三味線教室に力を注いでまいります。

<かたりもの>の世界をより学ぶために、稽古場に各種資料・書籍を収めた千年文庫を併設します。また、ネット上に<web千年文庫>も開設いたしました。

 

稽古場は、時には「語りの場」となり、多くの方々と、語る楽しみ・聴く喜びを分かち合うこととなりましょう。

 

わたくし、渡部八太夫は、今の世の、険しい語りの道をゆくものたちと、声を行き交わしていきたいと願っています。

 

人と神と、夢とうつつと、生と死と、あちらとこちらの「あわい」の場所で、太古の言問う草や木や石や水や風のように、野に生きるモノたちのように、地べたをさすらう者たちのように、

生きとし生けるものたちの、声なき声の物語を、渡部八太夫は語ってまいります。

 

何卒よろしくお願い申し上げま す。

Web 千年文庫 NEW 「説経祭文の部屋」開設

 既設の「説経正本」の部屋も少しずつ、アップしていますが、何しろ長大な物語ばかりで、不明な箇所が盛り沢山ですから、なかなか進みません。気長にお付き合い下さい。

 そんな中、仕事の都合上、新たに「説経祭文」の部屋を増設いたしました。テキストがあまり出回っていないので、「説経正本」よりも希少価値があるかもしれません。

 以下のリンクからご覧下さい。

「Web 千年文庫 説経祭文の部屋」

 

ART+EAT 満員御礼のあやかしの夜 

二週間の猿八祭り。折り返しのイベントは、真冬の怪談話二題。季節はずれではありましたが、大勢の皆様にご来場いただき誠にありがとうございました。

第一部「耳なし芳一

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第二部「対談」

浪曲玉川奈々福さんにご足労いただいて、説経祭文や浪花節の共通性について話しました。未経験ゾーンでしたので、まとまりもなくしゃべってしまいまして、申し訳ありませんでした。

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第三部「件」(初演)

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内田百閒原作 姜信子脚色 

原画 屋敷妙子 幻灯構成 姜信子

作曲 渡部八太夫

演奏 弾き語り 渡部八太夫

   太鼓   平塚基央

   効果音  姜信子

さて、来週は、いよいよ、新潟から、猿八座の本隊がやって来ます。乞うご期待。