稽古場:ゆやんたん文庫 奈良市敷島町
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追悼 石牟礼道子さん 説経祭文の旅 in 九州

石牟礼さんが出演された晩年のテレビ番組を見ていて、感じたことは、「みっちん」に戻っていくのだなあということ。お顔が、子供の頃になりたかったという狐に似てきました。そこで、今回は「みっちん」を探そうと、密かに思っていたのでした。みっちんの見たもの、聴いたもの。

9月2日(日)

 まずは、福岡入り。福津市のうらんたん文庫さんでのライブは、山福朱実・末森樹チームの「みどろの宮」とのジョイントでした。こちらは、「苦海浄土」より「九竜権現」。胎児性水俣病の杢太郎少年の話。宿泊までさせていただいき恐悦至極。すばらしいスタートがきれました。

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9月3日(月)

はじめての水俣。昼は「みっちん」の目になってきょろきょろ。夜は、湯の鶴温泉の諸国屋本舗で、ライブ付ディナーショーでした。出し物は、前日と同じ。

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初めて見る不知火海(明神さんより)

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湯の鶴温泉の清流

9月4日(火)

一日がかりで、水俣「みっちん」探索。どこもかしこも、物語にでてくるその場所であるわけだか、なんといっても、「大廻りの塘」(うまわりのとも)の風が心に残った。

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昔の海岸ぶち。大廻りの塘は、みっちんの遊び場だった。

夜は、山へあがり、久木野の「愛林館」にお世話になりました。ここでは、説経祭文山椒太夫の「骨拾い」を演じました。しかも、館長の沢畑さんに、アフリカの太鼓をたたいていただいて、大変もりあがりました。ところが、一番受けたのは、打ち上げで持ち出した「椿の海の記」の中の「雨乞い」でした。やはり、石牟礼さんがとりついています。

9月5日(水)

熊本へ移動。真宗寺の納骨堂に参拝し、石牟礼さんにご挨拶いたしました。

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9月6日(木)

熊本学園大学での姜信子集中講座が始まる。八太夫も語りや朗読でサポートする。

9月7日(金)

この日は、阿蘇根子岳へ。みどろの宮に出てくる「山猫おのん」はこの「ねこだけ」に生息しているわけだ。

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夜は、熊本市の橙書店でのミニライブ。石牟礼作品の中でも初期の作品である「西南役伝説」より、「六道御前」を初演。耳の肥えた方々と膝つめで、びびりました。

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ここでも、「雨乞い」をやったのですが、翌日から大雨になりました。ごめんなさい。

9月8日(土)

再び、終日、大学の授業。夕方には、山都町緑仙峡の清流館へ。「水はみどろの宮」のその「穿(うげ)の宮」が実際にある所で、奉納祭文をさせていただきました。ところが、お宮への路は、昨年の参拝の後の台風で崩れてしまったので、直接のお参りは、残念ながら出来ませんでした。

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9月9日(日)

和文楽の見学や、釈迦院の参拝などなど、石牟礼さんの足跡をたどる。

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農村芝居特有の写本

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横で、すみません。「ぽっくりでら」と書いてあります。釈迦院に詣でると「ぽっくり」死ねるんです。チューブだらけにならずに・・・ありがたいことです。

さらに、その夜は、菊池恵楓園に足をのばしました。ハンセン病家族訴訟の大阪からの応援団へ、陣中見舞いという結果になりました。「葛の葉」を押し売りしました。

9月10日(月)

最終講義を終えて、定番の片岡演劇道場へ。これが今回の〆です。

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今回も、沢山の方々にお世話になりました。改めて、御礼申しあげます。また、お目にかかりましょう。