稽古場:ゆやんたん文庫 奈良市敷島町
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踊るカタリと物語るカラダ 牧瀬茜

牧瀬茜さんの踊りに感動して、共演を申し出てから3年越しぐらいだろうか。ようやく日程の遣り繰りがついたら、コロナ騒ぎで延期となり、ようやくの開催。この状況の中、沢山の方々にはご覧いただけませんでしたが、開催できただけで大満足でした。命がけで、ご来場いただいた皆々様に感謝申しあげます。

さて、牧瀬茜さんにも「イエローマスク」をつけていただきまして、またまた「ピヨピヨ団」のメンバーが増えました。

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まずは、「ケセランはちらんブルースバンド」で開幕。

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オープニングは、「ケセランはちらん」のテーマ、妖怪人間のテーマソングをアレンジ。「早く人間になりたい」のではなくて、「早く、人間をやめたい」と歌う。

第1部は、牧瀬茜「向日葵畑の踊り子~ストリップの輝きに憧れて~」

かぶりつきのお父さん、釘付けですね 。

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第二部は、八太夫の山伏祭文「六道御前」

フェースシールドでなんか、語るもんじゃあ、あーりませんね。暑い苦しい、自分の声がうるさい。

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六道御前が、島原の八坂神社の祇園祭りで、祝言をあげる場面で、牧瀬さんが登場。

ここでの章句「祇園の守護の牛頭大王が御明かりもち」が非常に重要。

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最後の場面は、「狐葛の葉」

月に叢雲、花に風

吹雪く化生の黄昏ぞ

闇六道に行き交う

風にも宿る懊悩の

窶れし髪も面変わり

春爛漫の野辺の奥

行く手も見えで、狂いゆく

畜生というが、哀れなり

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幕間で歌の出し物 「鴨緑江節」 かつて、日帝の権力下で歌われた。ケセランぱさらん

 

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詩「海の声」牧瀬茜 BGM三味線 八太夫 海の音 太田テジョン

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フィナーレは、「ケセランはちらん」+牧瀬茜

アンコールもありがとうございました。力いっぱい、「イエローマスクブルース」をやらせていただきました。

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「カタリ」は人間にとって大事な「場」を生み出すことができますが、そこに「カラダ」が加わることで、さらに激しい化学変化が生じて、より具体的に神の降臨の躍動感が現れます。これは、金滿里さんと共演した時も感じました。一流の人形遣いにも同じ事が起きます。めったに体験できない「宇宙」につつまれた夜でした。コロナ禍にあって、会場その他こまごまとお世話いただきました「周」の稲本直さんに改めて感謝申しあげます。