稽古場:ゆやんたん文庫 奈良市敷島町
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「モノ」語りは増殖する プレイベント

宮城県気仙沼のリアスアーク美術館の展示物である「被災物」を見た人が、次々に新しい物語、あるいは世界を発生させていくという今回の企画のスタートに据えられたのは、「菅江真澄」と「奥浄瑠璃」と「宮沢賢治」だった。

 個人的にやはり最も注目するのは、説経や浄瑠璃という物語が、神話などと違って、中央集権的に単一化されないことだ。どんどん分化していき、その地方、その地方の独自の物語に変化していく。山椒太夫しかり、地方に分化していくことが、今こそ重要だと思う。そして、今回取り上げた「田村三代記」はまさにその意味で、東北の想像力というのに相応しい。そして菅江真澄の残した江戸時代の東北地方の記録は、まさに民衆の口が語ったことどもの記録であった。宮沢賢治が残した多くの物語の背後に横たわるのも東北の風景からの一種の増殖なのであろう。

来週から、いよいよ、「リアスアーク美術館」の「被災物」からの「モノ」語りの増殖がはじまる。

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