稽古場:ゆやんたん文庫 奈良市敷島町
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説経祭文ナイト 三庄太夫 第四回 

緊急事態宣言も解除され、なんとなく心理的圧力も緩和されて、お客様もどことなく浮き浮きの感じ。アルコールも解禁なので、さらに良い雰囲気の内に、第4段目、「名附」「別ヶ辻」「柴勧進」を聞いていただきました。水上勉もこの「柴勧進」に触れているようです。

 さて、この頃、説経祭文は大阪ならではの進化を始めております。お客様に育てられる芸といいますか、その注文に応えて、遊びが増える。説経は泣き物だからと、笑えるような場面は作れないと諦めていましたが、さにあらず。いろいろな突っ込み方があるものだなあと、つくづく感心いたします。

 今回は、「柴勧進」の場面で、お客様にかけ声をかけてもらう「ドッコイショ節」を挿入。様々、仕事の場面などで、バックコーラスはお客様というやり方を試してみました。待ってましたとばかりに、盛り上がり、さすがは大阪じゃあと、こっちが感激。

あるいはまた、定例会の良いところで、お客様が固定してきたことも、いろいろ試すのに良い機会。毎回、こちらの工夫も必要だけれど、お客さんを仕込むというのもあるかもと思い始めている。

 ところで、本題は、丹後の三庄太夫の所に売られてきた安寿・厨子姉弟が、「下職」の仕事を命じられ、初仕事に行く場面。山と浜に別れて、厨子王は山へ。そこに樵達がやってきて、厨子王の為に柴を刈ってくれるという有り難い場面。左程盛り上がりも無いはずなのに、盛り上がりました。詳しくはビデオを御覧ください。

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次回、第五回は、11月15日(月)この月だけ、第3月曜開催なのでお間違いなく。

第五段目は、「柴加増」「次郎詫言」「三郎柴触」の三場です。乞うご期待。