稽古場:ゆやんたん文庫 奈良市敷島町
問い合わせ先 wata8tayu@gmail.com

三味線のコード弾き練習

伊那谷の知り合いに田中宏氏がいる。詩を書いたり絵を描いたり多才である。SNSでたまたま、彼の詩を目にした。

 

この時代は、ひとつの"大多数"主義にむかって不確かな航海をしている。

ぼくらは、とっても気持ちの悪い「船酔い」をしているのに

それを感じないばかりか、むしろ愉しむ人々のなんて大多数なことだろう。

この目隠しされた船は、強大で大多数でBIGでMassで、

みんなが「いいね」するという、無窮の白い海へ舳先をむけてわたっている。

CGの巨大な客船のように、電飾は雲をも照らし大音量で、にぎやかに、明るい。

明るいが、ひとりひとりの影がかすかだ。ひとりひとりの孤高の影を描ききれていない。

群れなす無影灯が、ひとりひとりの小さく尊くいとおしい陰影を焦がしていった。

手術台に置かれているのは、きざまれた影。それは、わたしの影でありあなたの影でもある。

こんなに星は明るいのに、こんなにも人は暗い。

船底では氷の塊が、象の足音をたてているのに、人々の耳は、化石の夢を聞ききつつ眠る。

人頭税マスゲームのコマのようにあつかわれて、そこに影も光もない。

きれいなお面を買うために、人は人を棄てる。うつくしいたべものは、人をたべものにする。

ゆたかな家は、家人を喰らう。

花瓶の濁った水は未来の涙なのかもしれない。

ふちの割れたガラスコップを洗うたびに、どうしようもない運というものを夜に想う。

田中宏(2023/08/18 02:07a.m.)

clipchamp.com

最近、故国本武春さんのビデオを見直して、三味線でのコード演奏を工夫している。内容的にも共感できるので、この詩を単純なコードで歌ってみることにした。雰囲気的にはAmバッキングのつもりでやってみたが・・・・ちょっとこれじゃ、中学生っぽいかな。