稽古場:ゆやんたん文庫 奈良市敷島町
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2023年さようなら百年芸能祭

関東大震災100年忌の締めくくりが、東京の千歳烏山だったことは、朝鮮人虐殺の記憶をまた、百年先に届ける為に、適所であったと思う。その烏山神社の「椎の木」に届けよとばかりの怒濤のライブ。尊敬すべき中川五郎氏のいわゆる関東大震災三部作と再び共に過ごせたことを、今回の百年芸能祭を企画してくれた小林まい氏に、深く感謝いたします。

 さて、前半は、「旅するカタリ」の担当。もうおなじみになった「標準語行進曲」でスタート。つい、教師癖で号令をかけたくなる。まあ、それはおいておいて、今回は新曲を三つもデビューさせることになった。

 ひとつは、関東大震災のどさくくさにまぎれて逮捕された「金子文子

金子文子と朴烈(パクヨル)』という映画にもなった。初めは、金子文子の半生を祭文で語ろうと思い獄中手記「何が私をこうさせたか」(岩波書店)読んでいたが、どこもかしこも、あまりにも悲惨で、唸って終わってしまった。その後、出会ったのは、市ヶ谷刑務所での「尋問調書」だった。1924年5月14日の金子文子の調書は、とても二十歳そこそこでしゃべれるようなことではない。小学校にもろくろく通わせてもらえなくて、苦学に苦学を重ねたからこその叫びに聞こえる。

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東北の詩人「木村迪夫」氏の詩「祖母のうた」からの抜き書きで、語ってみた。そのおばあさんは、ご詠歌が得意だったので、木村は、ご詠歌の節で歌ったのを聞いたとある。私は、どちらかと言えば、瞽女唄をイメージして、最初は三味線で瞽女唄風につけてみた。しかし、どうもおさまりが良くない。もっと素朴にしたい、というか、炉端で藁を叩きながら歌うようにしたいと思い、久しぶりに「簓」を出してみた。

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三つ目は、姜信子作の「新しい世界にようこそ」である。これは、実は、昨年亡くなった森崎和江氏リスペクトの追悼文なのである。しかし、原稿を見た瞬間に目に飛び込んで来たのは、「わおおおおお」であった。おお、叫ぶのか、それじゃあ

だろ!あながちずれてないかも

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そのほか、苦海浄土から「九龍権現さま」を聞いていただきました。ありがとうございました。

さて、後半は、中川五郎さんです。以下の映像でお楽しみください。

1923年 福田村の虐殺 中川五郎 - YouTube

真新しい名刺 中川五郎 - YouTube

トーキング烏山神社ブルース 中川五郎 - YouTube

 

エンディングは、百年芸能祭恒例のNo Human No Cry

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今は戦前では無く、もう戦時中です。

みなさん良いお年を御迎えください。

どころじゃないです。

来年も、声で、闘いましょう。