中将姫伝説というますと、当麻曼荼羅で有名な当麻寺周辺に多くの逸話が残っているますが、そこからちょっと離れた宇陀の山中に青蓮寺(せいれんじ)があります。ここは、説経話らしく、継母が登場して、継母の計略によって命を奪われようとするところ、忠臣によって匿われたという、その山であります。生き延びた中将姫が後に、この日張山に忠臣を祀る寺を建てて、その初代住職がその忠臣の妻であったという話です。つまり、この寺は代々、尼寺です。
説経としては、鱗形屋孫兵衛の正本(太夫不明)「中将姫御本地」が残されております。一方、この青蓮寺にもこの寺特有の縁起が残っておりまして、この縁起は、現在研究者によって解読中ということです。そこで、今回は、ご住職の堀切康洋氏のご指導をいただき、説経の筋立てに、青蓮寺の縁起を組み合わせて、新たな説経を組み立てて奉納させていただくことになりました。いずれ、「青蓮寺縁起」の翻刻ができあがれば、またそれに従って節づけてみたいとも考えている次第。
さて、今年は中将姫の1246回忌の法要となるとのこと。先日、実見してきた修二会と同じような時間の流れを感じながら、有り難くも開山堂の中将姫像の御前で、語らせていただきます。
右端がご住職の堀切康洋氏
左:阿弥陀堂 右:開山堂
会式は、4月12日(日)午後1時から。説経奉納は午後2時くらいからになる予定です。本当に山奥なので、行くのに覚悟がいりますが、物好きな方、どうぞお参りください。もちろん入場無料。
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