稽古場:ゆやんたん文庫 奈良市敷島町
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旅するカタリ企画 「語り物塾」第1回

大阪本町んぽカフェ周での説経祭文の会をこの3年コロナと共に細々と続けてきました。昨年まで、三庄太夫の全段通し狂言をやりましたが、実は思う様に集客できませんでした。まあ、宣伝もしていないのですから仕方ないとは思いますが、やはり、説経祭文と言われて、行きたいと思う人は、そうは居ないということがよく分かります。

 今年から、少し、趣を変えて、毎回、違う題材を工夫してみることで、お客様の反応を見ようということで、第1回を企画しましたが、やはり、結果は、変わらず。チラシをいつもよりは、よっぽど多くまいたのですが・・・仲間内以外の有り難いお客様は1名でした。

 「語り物塾」企画は、これからも、二ヶ月おきに継続していく計画ですが、開催の場所もいろいろ探ってみようということになりました。次回の予告をすでに出しておりますが、4月の内容は変わりませんが、開催日時や場所に変更があるかもしれません。変更の場合は、また改めてお知らせいたします。

さて、第1回目は、説経祭文としてはレアな演目でした。というのは、どういうわけか分かりませんが、説経祭文の正本に「信徳丸」を見たことがないからです。説経祭文「信徳丸」が、出版されなかったのか、残らなかったのか、分かりません。「写本」は残っていますが、本当に説経祭文であったかどうか、怪しいところもあります。明確に残っているのは、瞽女唄と江州音頭なのですが、この辺の消息は、専門の研究で明らかにして欲しいところです。しかし、その手の論文もまだ見ていません。

 今回の「信徳丸」では、わざと、大阪高安、それも恩智神社=元春日という地理的な設定を採用しました。大元の説経では、清水が舞台で、祭文系では、春日大社が舞台のように描かれていますが、いくら昔でも、地理的な整合性がありません。つまり、大阪高安から、一晩で呪いに行って帰れる所で、呪わなくてはならない、と考えて作りました。そして、今回は出てきませんが、決定的証拠は、「信徳丸」が遺棄される「天王原」がいまでも、恩智の現存していることです。

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 後半は、釘を「打つ」にひっかけて、「織る」「打つ」の近代版を考えました。

ハイネ作 シュレーゼンの織工

1844年には、もう資本主義の収奪に多くの人々が苦しめられていたのです。

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そして、現代もまだ、資本主義の植民地主義奴隷制は、名を変え品を変え、消えることが無い。そこのあなた、日本は平和な民主主義の国だと思っているのですか?

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